NPO法人 地球のステージ
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更新: 2006年7月4日
 
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 NPO法人「地球のステージ」では、海外において支援活動を行っています。
 

 
 

緊急医療支援は2006.6.29で終了しました

 

移動診療所の前で


5月27日に発生したジャワ島地震。京都にあるNICCOさんと協力のもと緊急医療支援を実施しています。東ティモール人のアイダ医師を現地に派遣し、これまでに多くの患者さんを診察してきました。 

6月22日より桑山医師もジョグジャカルタに入り、バントゥル県、デリンゴ郡の村々を移動診療で回っています。毎日大勢の住民が訪れ、いろいろな身体や心の痛みを訴えていきます。まだ震災の恐怖が人々の中に根強く残っており、日々の診察でもその片鱗が見受けられます。
これらの活動状況についてのレポートになりますのでどうぞご覧ください

 

 
  打楽器ワークショップ 発表会 2006.6.29
 
ついに最終日が来ました。
テロン第一小学校に着くと、もうすでに奥から打楽器の音がしています。素晴らしい子どもたち。もう自分たちでちゃんと世界を築いています。12,13歳の子どもたちは、そんなすてきな想像力を素直にそのまま出す年代なんでしょうね。朝からこっちが励まされました。
 


最終日は「即興曲」「自由曲」「課題曲」に別れます。
まずは即興曲。知らない曲を聴いて、それにどうやって「合わせていくか」に取り組みます。井上陽水の古い曲「夢の中へ」を僕が歌い、各グループについてきてもらいます。正直グループ間ではその力に差が出てきていて、「蓮の花」はとても合わせてくるのが困難でした。やはり音感の違いが出てきます。でも「地震の愛」と「鷹」はとてもいい感じでびしっと合わせてきます。とても上達していて、「さすがだなあ」と感じる時でした。
「しんちゃん」はうまいんですが、一人二人が足を引っ張ってしまいます。この「即興曲」では、打楽器の持つ自由度を使って、「思うように曲にノル」ことを学習してもらいました。打楽器に余裕のある子どもには、バリエーションとして「アドリブ」の打ち方を伝えました。


最後のワークショップ
 
さて、「自由曲」です。
ここでは一人が詩を読み、それにあとのみんなが合わせていくというものです。1,2日目の練習では、どうしても「詩」に対して音楽が合っていない感じが強く、お互いが邪魔しあっている雰囲気がありした。しかしほとんどのグループがそこを克服し、まず打楽器を小さく出すことを自ら気付きました。これは大変大きな気付きです。つまり「音が詩の邪魔をしないように」と気付いたわけです。これは、一人の詩を読む人間を、音を出す周りのみんなが「支える」「守る」「盛り上げる」という行動に出たわけです。音楽を通じて、みんなが協力しあい、気を遣いあって初めてできる「チーム力」です。特に「地震の愛」はすごかった。グループ一シャイな、リサが詩を読み、本当は詩を読ませたら、過去に賞までとっているララが打楽器の中心でそれを静かに支えていきました。

悲しみの詩(うた)
悲劇の日が来た
私たちの美しい村は一瞬にして悪魔の世界に変わってしまった
全然想像もしていなかった
全然考えてもいなかった
その日、家は完全につぶれてしまった
神様は私たちを試された
たくさんの罪を、おかしてしまったから?
亡くなった人、破壊された風景
インドネシアは、悲しみの中に沈んでいた

理由もなく、突然襲ってきた地震を克明にうたい、そして悲しみをきちんと表現しています。
「希望」や「復興」に触れるのではなく、あえて悲しみの感情を伝えようとしたこの少女たちの考え。そしてその悲しみをありのままに打楽器で静かに支えた姿は、見事としか言いようがありません。
大人はどうしても「復興への希望」や「地震を乗り越えて強くなる」という先読みをした言葉が出てきがちですが、この少女たちの詩と音楽には、そういった飾りや、他者への気遣いなど一切ない、純粋な悲しみが現れていると思いました。
久々の「感動」です。

  さて、「課題曲」です。
夕べビデオを聞いてインドネシア語の歌詞を聞き取り、ギターでコードまでつけて覚えに覚えた「ありがと」という曲、最初は日本語の「ありがと」で始まるのです。
  この最後の課題はみんなが知っている曲を使い、みんなで大合奏するものです。グループの枠を外し、各チームに存在する「水タンクチーム」「金属鍋のフタチーム」「竹琴チーム」「ガラス廃材チーム」に別れてもらい、練習しました。インドネシア人のガビーさんは「水タンクチーム」の指導です。これはバスの音がするので、ベースが弾けるガビーさんには適任です。4つのグループから1,2人出てきているので、各パートは5,6人になります。必死に音を合わせ、曲の途中でストップモーションかけるところも、きちんと合わせるための練習を重ねていきます。一斉に練習する風景は「壮観」でした。素晴らしい子どもたち、みんな一斉に課題曲「ありがと」に向けて集中していきました。
 
いよいよ本番です。各パート入魂の大合奏が始まりました。僕はガイドのスベクティさんに借りたギターを使って大声で歌っていきました。すごい大合奏!

皆さんに聞かせたい?!
みんなとても上達しました
みんなちゃんと人に合わせられるようになりました
みんなちゃんと歌に合わせて、バリエーションがかけられるようになりました
みんなちゃんと自分のたたいているものと一緒に気持ちを込められるようになりました

いつまでもいつまでも「ありーがと、ありーがと、サンパイ・ペルジュンパ。プーラッ〈また会おうね〉…」と繰り返して歌い、最後はリタルダントをつけてじゃじゃじゃじゃーンと終わりました。完璧です。

「ありがと」の大合唱
 

夕方には村人と両親を呼んでの大発表会になりました。
午後4時、たくさんの村人と両親に見守られて、子どもたちは朝のセッションよりもすてきに演奏と詩を読み、そして大合奏していきました。最初に、壱岐の初山小学校のみんながつくってくれた千羽鶴を渡し、日本とのつながりが示せてよかったし、なんと現役の青年海外協力隊隊員が3人も助っ人にきてくれたのがとてもうれしかったです。中武さん、畠さん、福田さん、そしてJapan Fundationから斉藤さん、ありがとう。
何時までも何時までもこの時間が続くといいと思いながら、この大音楽会は終わっていきました。

「地球のステージ」の海外事業担当、あきちゃんもがんばり、すべての映像の記録だけでなく、子どもたちに渡す集合写真と、とてもすてきな「修了証書」を作ってくれました。一人一人に渡すと、みんなとてもとても大切そうに持ち帰りました。

「終了証」を受取るリサ
 
音楽会が終わって、「地震の愛」のグループの少女たちの家を訪問しました。8人中6人の家が完全崩壊。みんなテントの中で気丈に暮らしています。
その子たちの担任であるアルマ先生が言いました。
「本当に、本当にありがとう。どう表現するといいのかわからないくらいの感謝の気持ちでいっぱいです。
私はずっとこういう音楽会をやりたかったのです。この子たちを自由な表現で、自由な気持ちで心の中に沈んでいるものを吐き出させてやりたかった。今日の子どもたちの姿を見て、素直に、でもしっかりと表現しているのを見て、本当にうれしかったです。
どんな小さな家でもいいから、この子たちに建ててあげたい。でもそれはまだまだ先の見えない「夢」です。でもその夢に向かって、今日は勇気と知恵をいただきました。ありがとう。またきてください。」


「地震の愛」チームと一緒に
 
「テリマカシ」、「ありがと」

お互い、どれだけこの言葉を交換し続けたでしょう。
地震という悲惨な現場ではありますが、そこに生きる人たちとの間には、愛と優しさが生まれていきます。人は何かを失うけど、必ず何かを得ることができる。またそう信じられる現場に出会いました。

全国のステージのアンコールや「地球のステージ4」で、来るべき「ジャワ島震災救援篇」をご期待ください。
 
  打楽器ワークショップ2日目 2006.6.28
 

さて、2日目がやってきました。
学校に近づくとすでに打楽器の音が…!
なんと子どもたち早くから学校にやってきて、グループに分かれ練習しているではありませんか。おそるべしジャワ島の子どもたち!
持ち寄ってきた「もの」も多岐にわたり、金のようなもの、ガラス系の鳴り物、鉄、水タンク、木切れ…実にさまざまなものを自ら持ち寄り、合奏の練習をしています。

「ちゃんとグループワークができるかなあ」
という不安は消し飛び、これはやる気のある子どもたちだ!と確信し、とてもうれしかったです。
とは言え、自由にたたいているだけではワークショップにはなりません。
みんなは「単音」つまり、あるものをたたいているだけであって、「旋律」、つまりメロディがその打楽器郡の中にないのです。そこで、各グループに「音階のあるもの」を集めるようにお願いして見ると、さまざまな動きにでました。

 


まず「しんちゃん」チームは、竹琴を創り始めました。「地震の愛」は木琴です。「蓮の花」チームは、瓶を並べてたたき、音階を創っています。グループ「鷹」は鳴り物の金属楽器で音階創りを試みています。こうして「単音」から開放され、微妙な音階を混ぜていくことで打楽器の音創りに深みがでてくるわけですが、ここで大切なのは「ドレミファ…」の音階にこだわらないことです。音階を決めてしまうと練習しなければならなくなるし、技術に差が出て、みんなで取り組むワークショップががぜん難しいものに変わってしまうからです。自分の内面に湧き上がるインスピレーションと「たたく」という単純な作業の中から生まれてくる、直感的な音創りこそがこのワークショップの持ち味だと思います。

さて、基礎練習が終わり、各チームは基本的なユニゾン、「単音」と「単純な音階の繰り返し」のミックスができるようになりました。その上で取り組むのは「スローな曲創り」と「詩をのせる」という課題です。


詩の即興にあわせてパイプフォンを演奏
Dr.K&Mr.Hadi
 
打楽器はどうしても早い曲になりがちです。そこをあえて音に強弱をつけてスローな曲調にし、そこに「詩」をのせます。まずは僕が制作した「パイプ・フォン」(水道の塩ビパイプを切って、パッドを貼ったしゃもじでたたくものです)でスローな即興の曲を演奏し、そこに僕の通訳であるハディーさんが即興の詩を語っていきます。すごい!ハディーさん、なり切って詩を語り始めました。こういった通訳者の人たちのアドリブ性と、高い適応、先読み能力が、こういった海外でのワークショップを豊かなものに変えていきます。逆に言うと、そういった力のある人に出会うと、素晴らしいワークショップが生まれてくるわけです。
この即興共演を経て、やはり「地震の愛」のリーダー、ララが立ち上がりました。彼女はとても積極的です。すでに「地震と私」という詩を書いてきていました。チームのメンバーが、ゆっくりと廃材の木琴をたたきながら、ララの詩を受け止めてきます。12歳とは思えないその力の強さに圧倒される瞬間でした。
 


こうして二日目も順調に終わり、いよいよ最終日を迎えます。
朝の7時30分から第1回目の発表会です。
即興曲:初めて聞く曲に、即興でみんなの力をあわせ演奏していく1曲目
自由曲:オリジナルの曲に、オリジナルの詩をのせてアンサンブルを創っていく2曲目
課題曲:そして、「ありがと」という曲を各チームで合奏の3曲目
さて、どうなっていくでしょうか。
夕方4時からは、村の人や家族も呼んで、一大演奏会を企画しています。破壊されてしまった村の復興を願い、その壊れ果てた家屋から集めてきたものを使って、子どもたちが音楽を創り出していく。
その行為そのものが、今回の地震を受け止め、はい上がっていく大きな糧になればと願い、最終日を迎えます。

  もちろんこの2回のセッションの間には、診療が待っているわけで、きちんと医師としての仕事もして、最終日、がんばっていきます

詩の朗読をする「ララ」
     
 
  ◆打楽器ワークショップ1日目 2006.6.27
 

ついに打楽器ワークショップの日がやってきました。
テロン第一小学校の5年生は、朝の7時半だというのにもうそこに集まっていました。学校は完全に崩壊し、土台しか残っていません。仮設のテントの中で勉強していますが、つい先日学期末試験が終わり、みんなほっとしているところです。幸い今回の震災でこの5年生(最年長学年で、12?13歳です)の仲間34人は、一人もなくなることなく生き延びましたが、ほとんどの子どもの家は完全崩壊し、残念ながら2名が引っ越しして、現在32名です。


チームごとに音作りに励む
  さて、まずはグループ分けです。
各グループ8人で4つのグループを作ってもらいました。仲のいいもの同士…としたいところですが、そこを基準にして少し先生に入ってもらい、一つだけ男女混合クラスが誕生しました。そしてリーダーを決め、名前を付けていきます。「しんちゃん」、これはクレヨンしんちゃんが大ヒットしているからです。そして「イーグル」、鷹ですね。それから「テラッタイ」、蓮の花。どんな汚れた水にでも花を咲かせる信望の厚い花です。そして最後は「クンバ・アスマラ」、直訳すれば「地震の愛」、震災によって揺れ動いた自分たちでも、愛を忘れないように…という意味だそうです。さすが、この年代の女の子たちは考えることが違いますね。

まず初日は「どんなものが、どんな音で鳴るのかな?」というテーマです。
崩れ落ちた自分たちの学校の廃材の中から、みんなにいろんなものを拾ってきてもらいます。木材、ガラス、瓦、鉄筋…。かつては自分たちがそこで学んでいた校舎を支えていたものがみんなによって持ち寄られてきました。そして、山口ともさん(僕の打楽器の先生)に教わった、「すき間テープの上においてたたく」という手法を使って、音にしていきます。
木材。とてもすてきな木琴のような「コーン」という音がするものもあれば、「ぺしゃ」というつぶれた音しかしないものもあります。

「どうして同じ木なのに、音が違うのかな」
と聞くと、みんな一生懸命考えて、
「木が太いからだよ.いや、面積が大きいからかな」
それぞれが考えを言っていきます。そしてみんなで「これは音になっている?なっていない?」を判断してもらい、各グループの中で何人が「すてきな音が鳴るもの」を持ってきたか競い合いました。
 
やはりララがリーダーを務める「地震の愛」チームが高得点、みんなすてきな鳴り物を集めてきてくれました。
さて、こうして実は自分たちの身の回りのもの、もう壊れて捨てるしかないと思っていたものがすてきな音を奏でることに気付いた子どもたちは、次にパートに別れていきます。
打楽器には低い音を出すものと高い音を出すものがあり、その中間もさまざまです。8人いるメンバーがそれぞれに役割を決め、低音を奏でる水タンク担当の少年、高音を奏でる竹琴担当の少女と決めていきます。

しかしここで大切なのは、「何でたたくか」です。
実はたたかれるものも大切ですが、たたくものも大変重要なことに気付いてもらうため、いろんなものでたたいてもらいます。
プラスチックがくっついたマレット(バチ)だと「コン」という高い短い音。でも毛糸を巻いたマレットだと「コーン」という長い深みのある音になります。
「お?!」

みんなたたくものも、音を創っていくには大切なことに目覚め、いろんな「たたくもの」を選び始めます。でも今回はジョグジャカルタ市内で見つけた安いプラスチックの玉のついたマレットしかみんなの分はありませんでした。家に帰っていろんなものを巻いて、音を変えてみようと提案し、みんなには1本ずつマレットをもって返ってもらいました。

協力隊員の中武さんも協力
 
そしてこのワークショップが終わろうとした時、みんなが突然歌を歌い始めました。
「サヨ?ナラ、サヨ?ナラ、サンパイ・ベルジュンパ。プナン…」

最初だけ日本語ですが、あとはバハサ・インドネシア語です。子どもたちはなぜかこの日本語から始まる曲が大好きで、歌って僕たちを送り出してくれました。さて、意味はいかに…。

こうして廃材から音を創り出すことを学んだ32人は、家に帰っていきました。
翌日は、実際にグループワークで、曲創りです。
 
  診療のようす 2006.6.26
 


今日も朝から快晴、ジョグジャカルタを出発するといきなり急な坂に入り、どんどん山を登っていきます。今回の被災地はまた山岳地帯なのです。しばらくつづれ織りの道を行くと突然視界が開け、眼下にムラピ山が見えてきます。噴煙を上げ、夜間は火砕流の流れがジョグジャカルタからもわかるというその火山が、孤高の存在を誇らしげにぶつけてきます。さて、村に着きました。いつも移動診療は民家をお借りします。今日の民家も被災を免れながらも、所々に痛みの残る家屋でした。パキスタンの支援現場もそうでしたが、全く広報しなくても、ゆっくりと、しかし確実に人が集まってきます。そしてあっという間に50人を超えてしまうのです。

 

診療所

村の集会場などを仮診療所に決め、即席診療所をつくる

安達看護師:建物の前に薬品を並べて応対です
 


相変わらず関節痛の人々が多いですが、それは地震以前からの症状であり、ことのほか震災に直結した疾患が多いわけではありません。しかし終わり間際、9歳のローナという少女がやってきました、主訴は頭痛ですが、明らかに恐怖で落ち着きません。聞けば眠れていない、2時間おきに目を覚ましている、悪い夢を見る、特に人が亡くなった夢…。典型的なPTSD(心的外傷後ストレス障害)です。


ローナ 9歳
 
そんなローナにバウムテストを描いてもらいました。「1本の実のなる樹を描いて」という単純な描画心理検査(投影)法です。そのローナによって描かれた実に小さな、縮こまった頼りない樹。実はマンダリン(ミカンの種類)で、たった4つ。同世代の子どもたちは紙をいっぱいに使います。ローナが見てしまったもの、癒されないままでいるものの大きさと深刻さを、この一枚の絵は物語っているでしょう。


バウムテスト
 


さて、いよいよ明日からスタートする「廃物を使った打楽器ワークショップ」の対象となる小学校を見に行きました。完全に崩壊しており、脇には多くの廃材がうち捨てられています。明日から5年生(日本の6年生)の33人を対象に、自分たちの崩れ落ちた学校の廃材を使って音楽を創っていきます。 これは以前からやりたかったワークショップで、崩れ果てた自分たちの学舎の木が、ガラスが、竹が、瓦が、再び音楽を奏でて復活していくのです。だから、震災で失ったものはあるけれど、そこから新たなるものを創り出すという意味においては、これは、「失ったものよりも多くのものを得る」ためのワークショップです。


小学校:現在はテントが校舎がわり
  僕も竹を割って創った木琴を使い、練習に励んでいます。
 
  震災のトラウマ 2006.6.25
  日々50人近い患者さんを診察していると、時々典型的なトラウマの後遺症の患者さんに出会います。 動悸が収まらない、ちょっとした物音でびくっとするなどの過剰覚醒(Hyper-arousal)症状はもちろん、何もやる気がしない、気分がずっと落ち込んでいるなどの抑うつ症状も認めます。 日々で会う人々は皆明るく、活発に見えます。けれどその心の中では、まだまだ重いものを背負っているようです。

崩壊した家屋(イモギリ地区)
もっとも被害の大きい地域のひとつ
 
特に家にずっといることの多い4,50代の主婦層にこの傾向が多く見られ、朝の5時55分という地震の発生時刻から見てもほとんどの人が家にいたために、「家にいると危険」という感覚がまだまだぬぐえず、本来は家にいるとほっとできる状況が確保されないでいることが、最大のストレスなのかもしれません。  症状の重い場合には弱い精神安剤を処方していますが、一刻も早く癒されていくことを望みます。  

トラウマのおばあちゃんの話を聞く
 

さて、今週は火曜日から木曜日までの予定で廃材を使った打楽器ワークショップを行う予定です。これまで地震に関する心理社会的ケアはいつも「サッカー」や絵を描いたり演劇をしたり…という方向性でしたが、いよいよ音楽の分野で心理社会的ワークショップを行います。  

 
これは、友人の廃打楽器奏者、山口ともさんに触発されて考えついたものですが、震災によって多くの廃材が吐き出されています。それを使って子どもたちと打楽器のアンサンブルを行い、そこに詩の朗読を重ねて震災のことを吐き出す活動です。  初日は「デモンストレーション」なので、街で竹や部材を買ってきました。なかなか面白い音のする「廃材」が多く、楽しみです。  こうご期待!

楽器の材料:竹を買う
 

 ◆移動診療初日 2006.6.24

被災地の移動診療は、100人を超える患者さんの数との戦いです。
東ティモール、バイロピテ診療所の医師、アイダと一緒に仕事をしていることの奇遇さと、この震災がいろんな人をつないでいることの意味を感じています。

 

被災した小学校の校舎跡

   診察するアイダ医師

 

下痢の為に診療を受けた子ども


のどの痛みを訴えていた女性

 

 

追記:噴煙を上げるムラピ山

移動診療の帰り道、東の方に空高く噴煙をあげているムラピ山を発見し、思わず写真を撮りました。



 

 
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