NPO法人 地球のステージ
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更新: 2005年8月26日
 
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〜 ビラールのために 〜 (2004年2月20日)

< カセット・テープ大作戦 >

子どもたちの声を録音して、そのテープをビラールに届けよう!・・・ということにする。

まずはミニ演劇。男女それぞれのグループが3つ、4つの少人数グループに分かれて、それぞれがビラールのために小さな劇を用意する。

録音に入る前に、まずは大人の前で劇の披露。一つのグループはラジオ・ニュースを熱演する。「イスラエル軍はまたまたラファに侵攻する。15才の少年ビラール・シェハーダが狙撃兵に撃たれ、今は危篤である・・・・現場のハッサンさん、そちらの状況はどうですか?」もう一つのグループはビラールを撃った狙撃兵の裁判を演じる。「何々兵士、あなたはどうして武装していなかった少年ビラールを撃ったんですか?」また別のグループはテレビ・トークショーを舞台に、ビラールの家族をインタビューする。途中でビラールのお母さん役の子が「あー、可愛そうな息子よ!」と泣き崩れるシーンまである。

どのグループも似たような内容。すべての劇を観終わったら、大人たちが同時に深いため息をする。「このテープは彼を励ますために作っているはずなのに、落ち込ませる内容ばかりにしてどうすんのよ?!?」子供たちはみんな、ぽかんとする。「彼がどう怪我したかなんて、本人が一番良く分かってるんだから、わざわざ人に解説してもらう必要はないじゃん。家族が心配していることも彼は分かっているでしょ?もっと明るい話題が出来んかい?!」子どもたちからは沈黙・・・そして数分後ぐらいに、閃いたかのように、「あーぁ、なるほどね」とうなずく。おいおい・・・


この問題は今までも何度も繰り返されてきている。子どもたちに具体的なテーマを与えて、「これこれについての劇を作ってみて」と言わないと、男女共々「シャヒード」や「イスラエル軍の侵攻」をテーマにしたがる。

でも今回は特に、ビラールを元気付けるのが目的。結局、時間がないからスタッフのガッサンがそれぞれのグループのためにミニ演劇を書いてくれる。一つは、ビラールが退院した、というニュースを聞いて、子どもたちが慌ててビラールの歓迎パーティの準備にかけ回る話。もう一つは疲れ果てたお父さんが家で少し休もうとする時に、子供たちやお母さんが次々におねだりしに来てほっておいてくれない話・・・合計7つの劇で、どれも明るく、ガッサン特有のユーモアたっぷりの作品。子どもたちは役作りに熱中する。そして、それぞれの劇が演出家ガッサンの前で披露され、彼のOKが出たら録音に入る。

ミニ演劇の録音後は子どもたち一人一人が個人メッセージを録音する。どのメッセージもとても暖かい。写真に写っているのは、ビラールが撃たれた時に一緒にいたモハマッド。事前に紙に書いたメッセージを丁寧に読み上げる。モハマッドはこんなメッセージをテープに吹き込んでいる、

「ビラール、人生には3つのことがある。涙、微笑み、そして友情。涙はそのうち乾くし、笑顔も消えることもあるけど、友情は永遠に消えない。君はいつも俺の心の中にいる。神様が君を助けてくるように祈っている。これから君への小さなプレゼントとして、ジョークを言うよ。あるところに父と息子がいた。息子は英語を勉強し始めていた。
父は息子に、英語で「息子」って何て言うんだ?と聞く。息子は「ボーイ」と答えた。父は息子に「ボーイ」を簡単な文章にしてみろ、と言う。息子は、「ヤーアボーイ(父ちゃんや)」と答えた。
[アラビア語でお父さんは「アブイ」

子どもたちが一人一人、ビラールへのメッセージを録音。モハマッドも前もって紙に書いたメッセージを読み上げる

録音し終わった時に見た子どもたちのすっきりした顔が忘れられない。何か、大事なことを成し遂げた、という表情を見たような気する。

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