NPO法人 地球のステージ
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更新:2004年7月24日
 
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 NPO法人「地球のステージ」では、海外において支援活動を行っています。
2003.7.5 カザより
2003.7.7
 ガッサンのワークショップ
2003.7.10
 ガーダはソーシャルワーカー
2003.7.11 海へ
2003.7.11
 伊達な男 ハーディ
2003.7.12 ユミ
2003.7.13 海だ!
2003.7.15
 ガザの海辺から
2003.7.18 平和の貝殻

 

目の前には真っ青な地中海が広がっている

そう、今日は少年クラスの20人を連れてガザの海岸に来ているのだ。
待ちに待った海を見る日。
海の街に生まれたのに、海岸線をイスラエルの入植地に完全に占拠されたため、何年も海には行けなかったのだ。
しかし最近のロードマップ構想のおかげなのか、ガザ地区の戦闘状況はかなり落ち着いてきた。その影響でこの少年たちが海に行けるようになったのであれば、このロードマップ構想がこけないことを祈るばかりである。
パレスチナ人警察官が、同胞であるパレスチナ人の武装組織「ハマス」の人々を取り締まるという放送が、BBCで流されていたが、慈善事業にも大きな展開を見せている。

ハマスだけに、気持ちは複雑である。
しかし、少年たちは海にこれた。
みんなうれしそうにはしゃいでいる。
勢いは止まらず、海に突っ込んで行くという感じだった。
この活動がずっと行われることを、正直願いながら見つめたいた。

「心理社会的ケア」はPsychosocial Careと呼ばれ、旧ユーゴスラビア紛争直後から、各地でその重要性が認知されて、紛争の停止直後から、この「心のケア」は非常に重要であるという報告がいくつも出されている。それはどれだけ物資を送りこんでも、人々にやる気が失われていたり、不安におののいていたのでは、その物資を使える人間がいなくなり、結局戦後の復興が進まないという状況を受けての広がりだった。
桑山も、その旧ユーゴスラビア紛争に関して、心理社会的ケアのスーパーバイザーをしてきたが、やはり大変重要な活動だと思ったものである。

人間は「意識」と「無意識」の間を行ったり来たりして生きている。
人間の心のケアはこの「意識」と「無意識」をよく理解して成り立っていくものだ。
たとえば、海に来れた…
「さて、君はどう思った?」
「別に?」
「何を感じた?」
「わかんない」
これは無意識の世界に心の多くが占められているために、なかなか言語化できない状況の子どもとの会話である。
しかし、心理社会的ケアを行っていくと、海に来れた・・・
「さて、君はどう思った?」
「やっぱり海はいい」
「どんなふうにいい?」
「身体が気持ちいい」
「どうして来れなかったんだろうね、今まで」
「やっぱり、僕たちの海が占領されてきたから?」
「そうだね、でも来てみるとみんなが楽しそうに大きな海で遊んでいるよね。この海岸のどこへ行ってもいいわけだよね」
「そう、自由に海につかれることは、やっぱりいい」
という形での言語化をうながすことができる。
そうして、彼らに
「海は誰のもの?みんなのもの」
という気持ちが宿るのを期待する。そしてそのためには何が必要なのかを一緒に考えていったりするのが、ワークショップの役割だ。
 
けれど、この12歳〜15歳という年齢は、まだまだそんなに言語化が上手ではない。
そんなときに重要になるのが「前意識」と呼ばれる「無意識」と「意識」の間にあるものだ。
これは、はっきりと言語化できないという点では「無意識」に近いが、自分の感想を述べているという点においては「意識」に近い 存在である。
それはたとえば、
海に来れた・・・
「さて君はどう思った?」
「う〜ん、なんとなく元気になった」
「どういうこと?」
「よくわかんないけど、みんなと一緒に海に入っていると、元気になる感じ」
それはいいこと?」
「そう、だってみんなと一緒だもんね」
というように、言語化のレベルは途上であっても、ちゃんと自分の中に生じた変化を捉え、こちらに伝えてきているのだ。
そんな「前意識」を持ってもらうことも、また、こういった心理社会的ケアの目標とするところである。
すべてが言語化できて、意識化できればそれはいいかもしれない。でも、まだ心の発展の途上にある世代や、トラウマなどで傷つい ている心の持ち主であった場合は、この「前意識」を引き出していくことも重要な活動目標なのである。
「なんとなく勇気が出た」とか「なんとなく幸せな気持ちになった」などといえることは、大変重要なものを獲得しているといえよう。
私たちの活動が遊びの要素を取り入れたワークショップや英語クラスを展開しているのは、こういった「前意識」を引き出すのに、「遊び」は大変有効だからである。
そして、その延長線上に出きれば、「意識化」して「言語化」を促せると、もっといいと思っている。

ただ単純に海に遊びにつれてきているのではない。
その「海に行けた」という遊びを通して、
「勇気が出る」
「ずっとこのままでいたい」
「心がとっても楽になった」
といった内面の変化が生ずれば、それはこの心理社会的ケアが有効に機能していることを示すことになるのだ。
 
難しい内容になってしまったが、これが「心理社会的ケア」の目指す一つのゴールであるから、そこはしっかりと押さえていきたいと思っている。少年、少女たち40人に感想を聞くのは楽しみである。
そしてそこから見えてきたもの、思考や情感に関するコメントを拾い上げながら、次のワークショップに活かしていき、「前意識化」や「意識化」のプロセスをすすめていくことに、常に努力していきたいと思っている。

桑山の移動のスケジュールから、いったんこれでHP上の連載を一時中止するかもしれません。
20日の帰国後、まとめての掲載になるか、何とかメールを送っての連載継続になるかは、HPのこのコーナーを見ていただければ分かるようにしたいと思っています。
21日から「地球のステージ」も始まりますが、「パレスチナ篇」には、今後この「心理社会的ワークショップ」の件が盛り込まれ、より明日を見つめていけるような内容にしたいと思っております。

では、また

桑山紀彦
ガザの海辺の海水浴場にて
2003年7月15日 午後1時30分

パレスティナ事業関連
☆由美のラファ日記☆ ☆活動支援報告 桑山☆
・第1回 03.2.3〜
・第2回 03.7.3〜
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