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アハンマドは13歳
ワークショップの途中でもちょろちょろして落ち着かない。実は問題児だ。昨日家庭訪問を行ったときは,お母さんの横で神妙にしているのに,同世代の男の子と一緒にワークショップに参加するととたんにギャングと化す。つまり「集団になると,何でもできちゃいそうになる」危うい精神構造なのだ。悪
乗り,いたずら,ちょっかい・・・多動児といってもいい。落ち着いて集中できないアハンマドに,ガッサンは何回か注意しながら、気を遣って接している。
そして,3人をチームにして,物語を作るというワークショップの場面になったとき,ガッサンはアハンマドに、年下の12歳の男の子と組ませた。アハンマドは最初嫌がったが、ガッサンはにらみつけて「この中の大将はおまえだ。ちゃんとまとめろ」といって,課題を渡した。
最初戸惑っていたアハンマドであったが,年下の二人がすがるような目つきでアハンマドを見,「ねえ,ちゃんとやろうよ」というと、アハンマドはしぶしぶ取り組みはじめた。そして年下の子どもたちにいくつかの質問をしながら、ほかのグループよりも少し時間がかかったけど,ちゃんと物語を完成させた。そしてそれを,年下のほうの子どもが発表して、みんなの拍手をもらうと,アハンマドはとってもうれしそうに,下を向いた。
照れているのだ。
ガッサンは,すかさず
「アハンマドがよくまとめあげた!」と評価した。
アハンマドは,ますます照れて下を向いていた。
アハンマドは末っ子で,甘やかされて育ったのだった。
そして家でも学校でも我が物顔が許されてきたところがある。
アハンマドが何かしでかしても、結局彼の面倒を見るように言われたお兄ちゃんが叱られるのだ。
しかし,この年齢層が異なる仲間が集められたワークショップにおいては、はからずも下の子どもの面倒を見るという役割が成り立ちうるのだ。ガッサンはそれをうまく利用して、アハンマドに「誰かの面倒を見る」という行為をさせた。そしてそれに達成感をくっつけることで,アハンマドに違うコミュニケーションの仕方もあるのだと教えたことになる。
いつも怒られているアハンマド。
しかし今日は,このワークショップで「お兄ちゃん役」をさせられることで,最初は戸惑ったけど、ちゃんとやり遂げて評価される経験をした。それにより,アハンマドは,いつもとは違う「何か」を勉強することができたのだ。
恐るべしガッサン
その表情の豊かさや、パワー,ユーモアはとてつもない可能性を秘めた人物であることを示しているが,ちゃんと一つ一つのワークショップに,子どもの成長を促す要素がちりばめられている。
パレスチナの人材の豊かさ,そしてパワーにまたまた圧倒されたワークショップの一場面であった。

NPO法人「地球のステージ」は,このパレスチナやもう一つの支援先である東ティモールでは「Frontline」という名称で活動しています。
今後ともご支援,よろしくお願いいたします。
桑山紀彦 ラファ市
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「地球のステージ」ラファ事務所の2F
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南向きの部屋、日中は35度は容易に越える灼熱地獄だが日陰は涼しい
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