アトファルナという存在/2003.02.18
スドーン
「これは近いね」
アトファルナのスタッフが言いました。
近くに着弾したようです。
最初はイスラエル兵への攻撃によって4人が亡くなり、その翌日ガザのハマスの拠点が襲われ、
小包爆弾で6人が亡くなりました。
今日は朝から銃声が止まず、ついに昼過ぎにはミサイルでした。
なんともガザは落ち着かない、不安な街になってしまいます。
さて、アトファルナはガザ地区でもとっても有名なろう学校です。
NGOが運営しており、多くの生徒をやさしい先生たちが囲んでいい教育を行っています。
今日は12歳の少年少女に絵を書いてもらったり、質問紙を行ったりしました。
みな心のエネルギーがなかなかにある立派な絵を書きます。
きっと家庭や学校に守られているからなのでしょう。一歩外に出れば、きな臭い紛争のにおいに囲まれてしまうのに・・・。
相変わらず几帳面な姿勢が見られ、障害があるがゆえに逆に一生懸命になりすぎてリラックスできない心が垣間見れましたが、それでも、内的な世界は豊かでファンタジーを感じる絵がたくさん出てきました。
このガザにあって、一種のオアシスのような存在です。
午後からは先生たちを対象の授業を受け持ちました。
「風景構成法」という、風景の絵をある規則にのっとって描いてもらう中で、心の情報を読み取るものですが、とても熱心です。やはり子どもたちの心が知りたい、そしてできることを適切に提供していきたいと思っているのでしょう。
そのあと、理事長のジェリーさんたちと食事に行きました。
彼女はアメリカ国籍を持ちつつ、夫がパレスチナの由緒正しいシュワ家の人間で、
ここに残り続けている珍しい存在です。
アトファルナがここまで安定し、大きくなったのも、彼女の手腕以外何物でもないでしょう。
そんな彼女が言っていました。
「ある日うちの夫がね、テルアビブの空港に着いたとき、いつものようにイスラエルの職員につかまっていろいろと質問をされたの。その中で、金属のあるものをはずしてくれという意味で”ベルトをはずしてください”といわれたのよ。そしたらうちの主人は”それはできない”というのよね。もう私は”意地はんないで外してよ〜、こんなところで厄介な目に遭うのは嫌よ〜”とはらはらしていたわ。
そのうちに係員との押し問答がひどくなってきたんで、ついに主人が”責任者を呼べ”といったの。パレスチナ人がよく言うよって感じよね、イスラエル人にしてみれば・・・。でもその責任者が来て、”ベルトを外さないと、ここからは出られませんよ”と脅かすのよ。もう困ったわ。
それでも主人は”それはできない、ベルトは外せない”って言い張るわけ。私はこれでもう終わりかと思ったけど、なんとうちの主人は、そこでにやりと笑ってね、思いきりコートの前を開けてね・・・”なぜなら、今日は私はベルトをしていないのだあ〜”って言ったのよ。
もうあきれるやらおかしいやらで、一生わすれないわ」
その情景は目に浮かぶようでしたが、誇りを忘れないパレスチナ人らしい話のように思います。
占領され、虐げられてはいますが、ぎりぎりのところでちゃんと誇りを保とうとする、そんな強さと、冗談のようなユニークさを持ち合わせたご主人だと思って感服しました。
さて、火曜日は再びホットスポット(何が起きてもおかしくない地域)、ラファとハインユニスです。
ここで何ができるか・・・それはまさに緊急支援でしょう。
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