集落の患者:
クリニックと疾患構成は似ている。その他として、皮膚疾患では疥癬、真菌症が多い。またアトピー様にがさついた肌の子どもが目立ったが、身体を洗う機会が非常に限られているためかもしれない。成人では口腔内の疾患、歯痛(う歯)と歯槽膿漏が目立った。
今後の課題:
う歯・歯槽膿漏についてはやはり予防教育をしていかないとだめだろうと思う。モバイルでは、小児が一人で診察を受けにくることがあったが(ほとんどは医者にかかってみたかったという感じの元気そうな子だったが)、ある年齢以下の小児には、原則として保護者の付き添いがなければ薬の処方はしない等の約束事が必要かと思った。キャンプ内のクリニックでもそうであるが、悪化した場合を考慮すると、抗生剤を悪く言えばばらまくように処方せざるを得ない。一方で耐性菌を作らない努力も必要と考えられる。モバイルクリニックでは耳漏の出ている中耳炎の小児が2人ほどいたが、時間的制約等で耳漏の除去が不十分であったことは反省点である(耳漏をきちんと除去しないで点耳薬を使うのは耐性菌をできやすくしてしまう。一応母親にはきれいに拭いてから使うようにとは話したが)。特に小児に関しては耳鏡があるといいと思った場面が何度かあった。
その他の感想:
◎現地では鶏が放し飼いにされており、またカゴに入れて売りに行く人もマーケットで見かけた。また、どこかの村で肺炎に何人かの人が亡くなったという情報があるとも聞いた。鳥インフルエンザはパキスタンに限らず、どこで発生してもおかしくない状況下にあり、現地で働く日本人スタッフが大勢いることを考えると何人か分のタミフルは常備しておいた方がよいのではないかと思った(WHOや日本大使館等で迅速にもらえるなら別だが)。
◎現地の人と同じ服装をしなければならないものではなかったが、外国人が着用しているとやはりうれしいようで、距離が縮む感じがする。診療行為にはプラスになると思う。
◎モバイルクリニックでは当初、受診する人が緊張するためか表情が堅く、薬の服用方法等の説明が理解できているかどうか、診察に満足できたかどうかが表情から読み取れなかったが、何度かやっているうちに明るい雰囲気になっていった。これはひとえに、患者にわかりやすく話をしてくれた(横で聞いていて言葉はわからないが空気でみてとれた)、かつ人を拒絶しない雰囲気を持つ森尾看護師の力によるものが大きい。また別段さんには日本人らしい几帳面さでサポートをしていただき、私は診療以外のことについては、何も考える必要がなかったことは非常に心強かった。お二人がいなければ、私個人では何もできなかった。お二人を含め、林田さんを始めとする現地日本人スタッフの方々に改めて感謝と敬意を表したい。
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