NPO法人 地球のステージ
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更新: 2006年4月20日
 
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 NPO法人「地球のステージ」では、海外において支援活動を行っています。
 

 
 
      報告者:藤丸 健太郎
報告日時:2006年4月14日

  3月26日のサッカー大会後、大勢の子どもたちが続々と自分の村へと帰還して行きました。250家族が生活していたキャンプジャパンには、現在、交通事情や経済事情により帰還の果たせない約90家族が生活しています。他のNGOスタッフの方からは、「住民に元気がない」という話も聞きます。
そこで、何か楽しいイベントを用意して少しでも住民の方々に元気をつけてもらおうと、「運動会(通称:タンダリオリンピック)」を企画し、準備を進めてきました。競技に参加するのは、主にキャンプ内の6〜12歳の少年少女ですが、親子レースを用意するなどして、親や兄弟などの家族の参加・観戦も広く呼びかけています。子どもにとって、「同年代の子と共にスポーツに取り組む」ことはストレス発散、他者との交流など、心理社会的な回復・発達を大きく促します。また、その姿は多くの大人にとって微笑ましい光景であり、良い雰囲気作りにもつながります。今回のタンダリオリンピックプロジェクトは、キャンプジャパン内の人々への、そういった幅広い心理社会的ケアを目的としています。

4/15(土)、16(日)の二日間の大会本番に向けて、キャンプ内のテント一つ一つを回って大会告知を行い、子どもの参加への理解・協力を求めました。その後、前日までの3日間、男女別に競技練習をしました。これは、競技に慣れると共に、他の子どもとの交流を深めることを目的としています。以下に、3日間の練習の模様をレポートとして報告いたします。

 

4月12日

15時、女の子対象の練習のため、タンダリへ向かいました。彼女たちには前日と当日の午前にすでに練習の告知はしてあります。集合場所の学校用テントにはほとんど集まっていませんでしたが、何人かに声をかけると、20人ほどの女の子がすぐに集まりました。学校用テントから河川敷に降り、そこで練習を行う予定でしたが、水位上昇のため、キャンプ内のスペースを使って練習を行うことにしました。
しかし、この場所で練習を行う方が、
・「周りの目に慣れる」
・「キャンプ住民への告知」
というメリットがあることに気づき、明日以降の練習もこの場所で練習を行うことにしました。

 パキスタン社会では女性が人前で活発に活動することは少なく、キャンプ内の女の子もおとなしく、恥ずかしがり屋な子が多いので、「二人三脚」や「スプーンレース」といった競技に取り組んでくれるか若干の不安がありました。
二人三脚から練習を始めましたが、開始当初は口数が少なく、練習に前向きとは言えません。「家族がみているからいや」「男の人が見ていて恥ずかしい」と言って、渋る女の子もいます。しかし、1組目、2組目が楽しんで二人三脚をする姿を見て、全体に練習を楽しむ雰囲気がでてきました。3組目以降は「早く走りたい!」と意欲を見せる子どもさえいました。
年の小さい女の子、大きい女の子の順で、二人三脚、スプーンレースの練習を行いましたが、小さい女の子の方が“慎重に”取り組み、大きい女の子は“思い切って”取り組む傾向があります。
練習を終えて、3つの改善点・留意点が出てきました。

  1. 男性の前では、恥ずかしがって練習に取り組めない女の子がいる。今日の練習で取り組めても、大会当日はできない子がいるかもしれないので、当日、男性、女性の観戦の仕方を工夫する必要がある。
  2. 大会当日だけでなく、練習でも日本人女性スタッフが参加できれば、女の子もさらに練習に取り組みやすくなる。
  3. 走るのが女の子のときは「ゆっくり!」と声をかけて、男の子のときは「速く!」と声をかけるなどの工夫をする。

周りでは、多くのお母さんなど、キャンプ住民の方が見学していましたが、その視線は温かく、大会告知をするとすんなりと受け入れてくれました。男性も見ていましたが、「女の子がスポーツをする」ことに反対はしません。ほぼ全てのキャンプ住民に大会説明を行いましたが、みなさんとても協力的で、「女の子がスポーツをする」ということにも快く理解を示してくれています。




 

4月13日

15時、昨日と同じ場所で、今日は男の子の練習です。
まず、用意した4枚の布を使って、男子用種目「サンダル飛ばし」で使用する的フラッグを作りました。「ムザファラバード」「イスラマバード」「ジャパン」「月」と書かれた4枚の的フラッグを、「サンダル飛ばし」の際に順に置くことで「サンダルがどこまで飛んだか」を測るためです。「イスラマバード」のフラッグにはたくさんの車やヘリコプター、「日本」のフラッグには日本人スタッフ(森尾さんや別段さん)などが描かれました。

 出来上がった的フラッグを並べて、早速「サンダル飛ばし」の練習をしました。みんななかなか前にサンダルが飛ばず、後ろに飛んでいく子も中にはいます。最初の「ムザファラバード」フラッグは、近めに置く必要があるようです。

 次は、二人三脚です。前日の女の子同様、2人の呼吸が合わないと途端に崩れてしまうこの競技はとても盛り上がります。早速、ペアを作っている子どももいました。しかし、女の子よりも、それぞれが思い思いのスピードで走るので、「協力して2人で」という二人三脚の重要ポイントを抑えられていないペアが多く、「女の子の方が早いのでは・・」とさえ思えました。それでも、折り返し点をまわって戻ってくるころにはいいリズムのペアもいました。

 最後に、年齢ごとに均等に2組に分けて綱引きの練習です。2戦行いましたが、予想以上に盛り上がりました。心配していた綱の長さも十分で、20人vs20人ぐらいはできそうです。「チーム戦」が行える種目なので、13歳以上の家族や現地スタッフ、日本人スタッフも参加して盛り上げようと考えています。



 

4月14日

15時、今日はNICCO別段さん、JAFS西守さんも一緒にキャンプに到着です。今日は女の子の2回目の練習日です。昨日の男の子と同じく、始めにフラッグ作成(今日は大会用フラッグ)、それから二人三脚、スプーンレースの練習をしようと思っていましたが、天気が不安定なので学校用テントへと移動しました。
20分ほどして、花や車、家、人形などの描かれた大会フラッグが完成しました。男の子に比べて、一つ一つの絵は小さいですが、全員が参加して楽しいフラッグです。これを明日、明後日の大会本番で掲げます。

二人三脚、スプーンレースの練習では、NICCO林田さん、JCCP渡辺さんにも参加していただいて大変盛り上がりました。ウルドゥー語で女の子たちに指示を出していただいた西守さんも含め、やはり女の子にとって女性の存在は大きく、男性に対してよりも広く心を許すことができます。日本人女性3人の参加により、一昨日の練習よりも、笑顔が多く、女の子たちは非常にリラックスしていました。大会当日も多くの日本人女性スタッフの方々が参加を表明してくださっているので、ぜひ協力していただき、より和やかで楽しい運動会にしたいと考えています。

明日はいよいよ本番ですが、天気が不安定なのが大変気がかりです。夜、森尾さんや、他のNGOの方々と“てるてる坊主”を作りました。明日朝、すがすがしい青空であることを願いつつ、最後の大会準備を進めています。
 

 

     

 

 
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