NPO法人 地球のステージ
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更新: 2006年4月20日
 
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 NPO法人「地球のステージ」では、海外において支援活動を行っています。
 

 
 

 


佐藤弘之
(3月まで)神奈川県立こども医療センター  小児科ジュニアレジデント
(5月から)東京都立梅ヶ丘病院  児童青年精神科研修医

                                       
                          


 

派遣時期:2006年3月27日〜4月11日
派遣先:CAMP JAPAN, Tandali, Muzaffarabad
派遣の目的:主にモバイルクリニックによる診療行為を行うこと




 
  CAMP JAPANは日本の5,6のNGOとパキスタン政府などが協力し、地震被災者の越冬を目的に立ち上げられ、日本のNGOは仕事を分担し、NICCOがクリニック関連の運営を行っている。3月から被災者たちはそれぞれの村に帰り始めており、3月中に124家族814人が帰還している。気候が暖かくなってきたおかげもあるが、多い日は100人を超えていた患者数も、私がいる間は10人から30人程まで減ってきていた。クリニックはキャンプのムザファラバード側の端にあり、私が来た時点でクリニックまわりのかなりのテントが帰還してなくなっていた。そのため、2週目の月曜日にクリニックのテントを中心側に移動した。

通常月曜から土曜までパキスタン人医師が日中診療を行っているが、パキスタン人
医師の家庭の事情により土曜日2回とも休みを取ったため、私が代診をすることと
なった。
 
クリニックを受診する患者は小児の上気道炎、下痢、皮膚疾患(湿疹、疥癬な
ど)、成人の頭痛、関節痛、胃炎が多い。搬送された患者は、陣痛間隔が短く出産が
間近な女性、骨折固定の人工物挿入部の感染の少年、白内障手術目的の老女などである。気になる点としては、症状を見て抗生剤は必要ないと思った場合でも、現地のディスペンサーが強めの抗生剤を渡していることがあり、また患者が薬を必要以上に欲しがっていることもあり、耐性菌ができやすい環境がある。モバイルなど定期的に受診できない場所なら仕方ないが、キャンプ内の場合はフォローもある程度出来、必要以上の抗生剤を与える必要はないように思える。
   
 
 

期間中にキャンプから30分以内の
Degeree、
Lower Subri、
Upper Subri、
Kunbandway

の4か所と、NICCOがシェルターを建設中の車で3時間ほどのNoon Baglaとで計5か所で行った。近場では15人から26人、Noon Baglaでは45人の患者を診察した。疾患としてはキャンプ内クリニックと大きな差はない。
青空で、桜に似た花が咲く風景を見ながらの診療は今までしたことが無いが、気分的にとてもいいものであった。近くで生後9日の三つ子がいると言われて見に行ったが、満期産で元気な三つ子であった。日本でも自然発生の三つ子はあまり見たことが無く、得をした気分になった。

 


その他の感想:

 

どの村にもたいていBHU(basic health unit)が存在し、それぞれにディスペンサー、医師が所属しているそうだが、BHUごとのばらつきが大きく、あるところでは医師が1ヶ月に1度しかこなかったり、ディスペンサーがいても薬が住民に行き渡っていない現状があった。各国が支援を終了したあとのパキスタン政府の下でのシステムが上手くいくか心配である。
 
近親婚が多いせいか、キャンプやモバイルなどで訪れた村などに、指が6本ある兄弟、日光過敏症の兄弟、白斑症など遺伝性疾患が多いように思われた。この辺の調査を行い、遺伝疾患が特定できれば、今後起こる症状などの予防も出来るかもしれない。
 
私の顔が濃いこともあって、パキスタンの民族衣装を着ていると、友達に似ているなどと言われ、パキスタン人とより身近になれた気がした。
 
移動中に、トルコや中国など文字、国旗が書かれた援助物質のテントを沢山見たが、それに比べて日本の支援が書かれているものを見る機会が少なかった。ムザファラバード内だけでも数多くの日本のNGOが来ていて、日本もかなりの援助をしているはずである。町や村では日本人の存在を知らない人も多く、例えば何かあげるときはNGOの名前入りのシールを必ず貼るなど、援助をしているというアピールの仕方も各NGOは考えるべきだと思った。
 
クリニックの運営に関わる森尾看護師や、別段さん、NICCOの林田さんや、CAMP JAPANを支えている多くの日本人に助けられ、約2週間の任務を無事に終了することが出来た。医者になってから初めて医療援助で、私にとっても貴重な経験となった。
この場を借りて感謝の意を表したい。

     

 

 
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